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「ハギ、ウメ、マツ、…」

 「感染者数、陽性率、実効再生産数、…」 毎日、あまり聞き慣れない言葉を耳にするようになりました。この閉塞した状況からどのように出口を見いだすか、さまざまな模索が続けられています。出口戦略と言われますが、そこで威力を発揮するのが、《統計》です。これからの、いやもうすでに社会人必須の教養であると言われます。統計とは「集団の個々の構成要素の分布を調べ、その集団の属性を数量的に把握すること。また、その結果を数値や図表で表現したもの」(デジタル大辞泉)ですが、私のような人文科学の世界でも、数量やグラフと無関係に研究が進められない時代になっています。

 まったく数や量と関係ないように思えるものでも、あらためて統計的視点でみると興味深いことがわかります。「令和」という年号ははじめて国書に典拠を求めたということで、話題となりました。『万葉集』はにわかにベストセラーになり、いまもそのブームは続いています。その『万葉集』と統計というフィルターをかけてみると、たとえば歌われている植物を数え上げてその頻度で整理すると、タイトルのようになるのだそうです(本川裕「「統計」の醍醐味を古典文学のキーワード分析で実感する」※参照)。日本人が歌う植物といえば「サクラ」と思いがちですが、奈良時代まではむしろ「ウメ」であったことはよく知られています。けれども実際には「ハギ」のほうが多いというわけです。上記のエッセーのなかで、中尾佐助『花と木の文化史』に言及があり、「ハギ」が多いのはすでに進みつつあった「環境破壊」の反映であるとの言葉に驚きました。最近、山で見かける「フジ」などの蔓性植物の繁茂によって里山が破壊されつつあることを考えると興味深いです。

 『聖書』の植物も同じように統計という視点からみると、圧倒的に「ブドウ」が多く、以下、「コムギ、イチジク、亜麻、オリーブ、ナツメヤシ、ザクロ、…」と続きます。花ではなく食べられる植物が頻出します(「亜麻」だけが食べられません)。また、栽培植物が上位を占めています。自然と対峙して生きなければならない乾燥地帯という状況が反映しているのかもしれません。で…、何かが言いたいのかって。数量的に世界を把握する目をもってほしいなということで、ちょっとキリスト教からは離れた話題となりました。(画像は岩波書店HPから転載)


https://diamond.jp/articles/-/104343


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