「にもかかわらず」(Trotzdem)を生きる

 わが故郷、信州(生まれたのは東京赤羽です)は脳血管性疾患が多い地域で有名でした。「お茶うけ」といって夏はキュウリやナスの糠漬、冬は白菜や野沢菜の塩漬が何かと食卓にあがります。塩分の取り過ぎです。県をあげての減塩食・健康づくり運動が奏功してこの疾患で亡くなる人も随分と減り、最近では長寿県としての評価を高めつつあります。そのような運動の最前線で尽力された先生に、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生がいます。

 医師として作家として著名な鎌田先生ですが、一個人としても医師としても幾多の逆境を乗り越えた人生を歩んできたそうです。そのとき先生を支えたのはお父さん(実は血のつながらないお父さんだったのだそうですが)の「にもかかわらず」という言葉だったそうです。「逆境にもかかわらず」…、その中でできることにとりくみ一歩一歩前に進んだ人生だったのでしょう。そのような粘りづよさが実りをもたらしたのでしょう。

 「私たちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、 途方に暮れても失望せず、虐げられても見捨てられず、 打ち倒されても滅ぼされない 」 (コリントの信徒への手紙二 四章八~九節) という言葉が聖書にあります。逆境のない人生などあろうはずがありません。順風の秋(とき)もあれば逆風の秋もあります。私はホウレンソウが好きですが、霜を浴びたホウレンソウはひときわ甘みがあって美味しくなります。人間も霜や乾きや日差しを浴びて、一段と成長します。「新型コロナ感染症の流行にもかかわらず、…」と皆さんが将来振り返ることができるような今を過ごして欲しいと願います。(画像は「鎌田實オフィシャルウェブサイト」より、撮影は百瀬恒彦さん)


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